【立ち会い出産】夫の割合や役割、できることについて

娘が産まれて早3年半が経ちました。今ではいっちょまえに私たち夫婦と口喧嘩するまでに成長した我が子ですが、ほんの数年前はこの世に存在すらしていなかったと思うと不思議な感じがします。

私は出産に立ち会ったのですが、今回はそのときのことを思い返しながら立ち会い出産をする夫の割合や役割などについて書いてみたいと思います。

※助産師として働く妻の意見も参考にしています。

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立ち会い出産の割合は?

立ち会い出産の割合は増加傾向にあります。

夫53%・親12%(2011年調査より)

2011年に厚生労働省の支援を受けて行われた調査(母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査 – 2013年3月発行)によると、出産に立ち会った人は夫が最多で53%。続いて親が12%、その他が5%となっています。出産に誰も立ち会わなかった人は41%です。

立ち会い出産の割合

夫の割合は約5年で20%増加

同じ調査で、出産に立ち会う夫の割合は経膣分娩に限ると59%に上ります。約6割ですね。

※経膣分娩とは、産道を通って膣から赤ちゃんが出てくる分娩(帝王切開でない出産)のことを言います。

2006年の同様の調査に比べて夫が出産に立ち会う割合(経膣分娩に限る)は39%から59%に上昇しています。約5年で20%増えたというのはけっこうな伸び率ですね。

【参照:母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査(2013年3月発行)

近年、父親の育児参加の機運が(少しずつ)高まってきていることを考えると、出産に立ち会う夫の割合は今後も伸びていくことが予想されます。

立ち会い可能か事前に確認

立ち会い出産を受け入れていない病院も

立ち会い出産を望んでいても病院側がスタッフの人数や設備などの理由で認めていない場合があるので注意が必要です。

また、病院によっては立ち会い出産の条件として、両親学級への参加を義務付けているところもあります。産院選びの段階から詳細について確認しておくことをおすすめします。

ちなみにうちの娘が産まれた病院では特に条件等もなく出産に立ち会うことができました。

以前は立ち会い出産を嫌がる医師や助産師もいたようですが、現在では逆に奨励しているところも増えてきているようです(中には、夫以外の立ち会いを禁止している病院もあります)。

帝王切開の場合は立ち会える?

帝王切開は経膣分娩とは異なり手術になりますから、病院によっては立ち会いを認めていない場合があります(認めている病院もあります)。

通常の出産の予定が急きょ帝王切開になる場合もあるので、帝王切開時の立ち会いが可能かどうかは事前に確認しておいた方がいいと思います。

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夫・パートナーにできることは?

ブログやTwitterなどでは出産に立ち会った夫の感想として、男は無力だとか何もできないといったものが見受けられます。

実際に出産する当人と比較すると(比べること自体おかしいですが)無力であるというのは私もそう思いますが、それを言い訳にして自分にできることをやらないのは不誠実だとも思います。

私自身、自分にできることはなんでもやりたいという心構えで出産に立会い、無事に娘が生まれた後は妻に立ち会ってくれて良かったと言ってもらえました。

当然、妻の大変さに比べたら無に等しい出産への私の貢献度ですが、実際に立ち会ってみて、パートナーとしてサポートできることは意外とあるように感じています。

以下、出産時に夫・パートナーができることについて自分の経験を踏まえていくつか取り上げてみます。

陣痛の間隔を記録する

分娩室に入る前から夫・パートナーにやれることはあります。

たとえば陣痛の間隔を記録すること。一般的に初産婦の場合は陣痛の間隔が10分おき、経産婦の場合は10分~15分おきになったら病院に連絡するのが一般的です(病院によって対応に若干の違いがあるかもしれません)。

参照:国立成育医療研究センター | 入院のタイミング

もし入院前に夫婦で一緒にいられるなら、妊婦さんの代わりに陣痛を記録してあげると負担軽減になって良いかもしれません。

陣痛を記録する陣痛時計というアプリもあるのでおすすめです。

参照:陣痛アプリおすすめ5選! 好評価の無料アプリは? 測り方は?

私はこの陣痛時計を使ったのですが、今でも見返すと出産の日のことを鮮明に思い出せます。

当然ながらパートナーが「自分でやった方が楽!」という場合には身を引くべきです。

また、入院後は陣痛の間になるべく休んでリラックスした方が良いので、アプリを使うことで気疲れするようだったら控えた方が良いそうです(助産師の妻談)。

陣痛軽減のためのマッサージ

男の私には想像することしかできませんが、陣痛(出産前の子宮の収縮にともなう痛み)はかなりのものらしいです。あとから妻に聞いたところ、産む瞬間よりも陣痛の方が辛かったとのこと。

陣痛の痛みを軽減する方法は、呼吸法や楽な体勢、なるべくリラックスすることなどいくつかありますが、私が妻の求めに応じて実践したのは腰のマッサージです。

これをやるとやらないとではだいぶ違いがあるようで、陣痛が激しくなってからはこちらも猛烈な勢いで腰をさすりまくりました。無事、出産を終えた後には爪が剥がれかけていたくらいです。

腰や背中のマッサージは助産師さんがやるケースもありますが、夫が上手くやれれば病院スタッフの負担軽減にもなりますし多少なりとも役に立っている実感を得られて良いのではないかと思います。

不安を和らげる

出産の不安を和らげることも立ち会い出産にのぞむ夫・パートナーに課せられた役割の一つです。

声をかけたり、手を握ったり、励ましたり、お互いの関係性の中で適切な方法は変わってくるでしょうが、リラックスすることは痛みを軽減する上でも良いとされています。

汗を拭く

産婦さんの体質にもよると思いますが、一般的に出産では汗をたくさんかくのでハンカチやタオルで顔などを拭いてあげ良いです。

身の回りの細かいことをやってもらえると助産師さんとしても他のことに集中できるので助かるとのこと(助産師の妻談)。

飲み物を渡す

汗をたくさんかくということは、水分補給も重要です。

事前に飲み物を用意しておければ良いですが、そんな余裕がなかったり、全部飲み干してしまった場合には夫が買いに行きます。

撮影は控えめに

出産の様子を思い出としてカメラに収めたいと思う人も多いと思います(私もそうでした)。中には夫をカメラ係に任命し、それだけやってくれればいいと考える産婦さんもいるかもしれません。

ただ、あまりパシャパシャと撮影していると産婦さんの気が散ってしまうかもしれませんし、病院スタッフの邪魔になってしまうことも考えられます。

ちなみに、助産師の妻が勤務する病院ではスタッフの撮影はNG(スタッフを被写体として撮影することはNG)とのこと。

赤ちゃんと産婦さんのみ撮影OKなのか、そもそも分娩室内での撮影自体がNGなのか、事前に確認しておいた方が良いです。

立ち会い出産のデメリットはメリットに変えられる

夫が出産に立ち会うかどうか迷っているとき、立ち会った場合のデメリットについて調べる人も多いでしょう。

個人的には、立ち会い出産のデメリットとして挙げられるものの多くは、事前に出産や母体への知識を身につけることで逆にメリットに変えられると思っています。

(そもそも出産に立ち会うことに対してデメリットなんて言葉を使うこと自体がどうかとも思いますが)

出産時の壮絶な妻の姿

出産に立ち会った夫の感想として「出産時の妻の壮絶な姿を目の当たりにして今後の夫婦生活に支障をきたした」などというものを目にすることがあります。「女として見られなくなった」とか。

個人的には「勝手なこと言ってるなぁ」「なめてんなぁ」と思いますが、たしかに出産時の姿は普段とは全く異なります。パートナーのこれまで聞いたことがないような叫び声や乱暴な言葉に驚いてしまう気持ちも分からなくはありません。

出産は母と子の生死をかけた一大事と言っても決しておおげさではないですからね。私も実際に立ち会ってみて出産はまさに命がけだと実感しました。

ただ、私は妻が助産師をしているということもあり、出産についてある程度の知識を持っていましたし、出産の様子を映したテレビ番組などを見る機会も多くあったので、それほど戸惑ったりショックを受けたりということはありませんでした。

出産がどういうものかということを知識として持っていれば、お産のときに豹変する妻の姿を受け入れることもできるはずです(問答無用に受け入れるべきというのが率直な気持ちではありますが)。

両親学級に参加したり、お産の動画を見たり、自治体が出しているガイドブックなどを参照したり、事前に出産についての知識を身につける機会はたくさんあります。

きちんとした知識を持ってお産にのぞむことで、豹変したパートナーの姿にたじろぐことも少なくなると思います。私は出産を終えた妻に対してこれまで以上に感謝と尊敬の気持ちを抱くようになりました。

少なくとも私にとっては、お産の壮絶な状況を目にしたことをデメリットなどと思うことは全くありません。

パートナーへのリスペクトを強めることができたわけですからメリットしかなかったです。

血を見るのが怖い

出産では通常500mlほど出血すると言われています(もちろんお産の状況によって出血量は変わります)。出産に立ち会うのであれば、血を見ることを完璧に避けるのは難しいかもしれません。

ただ、これも事前に出産や母体に関する知識を身につけることによって、ある程度解決できるのではないかと思います。無知からくる恐怖、戸惑いを取り除くには「知る」ことしかありません。出産について学ぶことは、親になる人間としての義務だと思います。

どうしても血を見るのが怖い、苦手という人は、赤ちゃんが産まれてくるところを直接見るのを避け、その瞬間は妻の手を握ったり声をかけるなどしていれば比較的ショックも少なく済むでしょう。

いずれにせよ、出産が壮絶なものであるというのは変えられない事実ですから、事前に学習して心の準備をしておくことが大切です。妻が命がけで頑張っているのですから夫としてそれくらいのことは最低限やっておくべきです。そのときに学んだことは出産後に共に子育てをしていく上でも決して無駄にならないでしょうし、夫婦のより良い信頼関係を考えても必要なことだと思います。

以上、今回は立ち会い出産について夫視点で書いてみました。

参考になれば幸いです。

▼出産について学べる人気漫画『コウノドリ』。ドラマ化もされています。

▼出産は母親の身体に大きな負担を強いるものです。産後のパートナーと赤ちゃんのためにも、男性の育児休暇がもっと広まって欲しいと思います。

関連記事:男性の育児休暇の現実。取得率は低く期間は短い。

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