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『天国は、ほんとうにある』感想【WOWOWで観た映画】

      2017/04/03

heaven

WOWOWで『天国は、ほんとうにある(HEAVEN IS FOR REAL)』というド直球なタイトルの映画を見ました。

ベストセラーの映画化。ストリーに真新しさはない

生死の境をさ迷った3歳の男の子の臨死体験が周囲を巻き込んでいく過程を描いた映画。全世界で900万部のベストセラーになったノンフィクションが元になっているそうです。

映画の作りとしては非常にシンプルで、展開も読めてしまうし、よくある臨死体験話なのでストーリーに真新しさもありませんでした。男の子が語るイエスのことや天国の話に関しても説得力はありません。途中で心理学者が科学的な反論を提示する場面がありますが、こちらの方が説得力があります。男の子の父親がキリスト教会の牧師であり、周囲の大人たちも教会に通うクリスチャンが主なため、彼彼女らが感化されていく流れも「そりゃそうでしょ」と言いたくなります。

ちょっと昔の話になりますが、『ビートたけしのTVタックル』の超常現象スペシャルで心霊現象やUFOについてボロクソ言っていた大槻教授こと大槻義彦さんを覚えていますか?例えば彼みたいな、科学的に説明がつかないことは絶対に信じないというタイプの人物が最後には信じちゃうって話なら「ほう」と思わなくもないですがね(偉そう)。そんなんで「天国は、ほんとうにある」と言われてもね。牧師であるにもかかわらず確信を持って「ある」と言えないグレッグ・キニア演じる父親が、最終的に信じると決意したときの心情を表した言葉なのでしょうが。

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天国があると信じたい気持ちには共感できる

登場人物の中にマーゴ・マーティンデイル演じる(戦争で?)息子を亡くした女性が出てくるのですが、彼女の子を亡くした悲しみと、その子どもが天国に行ったと信じたい気持ちには共感できる部分がありました。子どもの死という悲劇に直面したとき、死後の世界に救いを求めるというのは無理からぬことです。僕も子を持つ親として、子どもが亡くなるニュースを目にする度に絶望的な気持ちになります。果たして自分が子を亡くした親の立場に立ったら、生きていられるか?と自問自答します。

社会学者のマックス・ヴェーバーは、人生で経験する苦難の意味を説明する宗教の教義のことを苦難の神義論と呼びました。聖書のヨブ記に代表されるような不条理に直面した人間の苦しみが、宗教が産み出される根源的な条件になったというのは納得できます。天国や地獄など、死後の世界の存在は、悲劇に見舞われた人間がそれでも現世での生に意義を見出すためのロジックとして歴史的に機能してきたし、科学的知識が広まった現代においても機能し続けています(仏教的な世界観であれば、成仏とか輪廻とか解脱いうことになると思います)。映画の最後で、天国の存在を語る男の子の言葉に救われるマーゴ・マーティンデイルの姿を見て、改めて宗教の意義について考えさせられました。

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マーケットを意識して作られた作品

はっきり言って、映画としては大したことのない本作のような作品が作られるというのは、この手の作品を欲するマーケットが確実に存在していることを意味しています。もちろん、ベストセラー作品の映画化ですから、本を読んだ人たちをターゲットにしているのは当たり前ですが、このような本がベストセラーになるということ自体、キリスト教的世界観を背景とした天国話を受容する分厚い層が存在することの証左でしょう(本の内容に関して、聖書の記述を越える世界が描かれているとして批判するキリスト教徒も多くいるようです)。

僕は臨死体験に結構興味があるので、映画としての評価を度外視して、こういった類の作品も楽しめちゃいます。ただ、本作のような宗教的なアプローチよりも立花隆のように科学的に臨死体験の実態に迫るというアプローチの方が見ていてワクワクします。以前NHKスペシャルで放送していた「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」なんかはとても面白かったです。同じくNHKで放送されたモーガン・フリーマンの「時空を超えて」も興味深かったです。これらの番組についてもいつかブログに書こうかと思ってます。

ではでは。


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