長時間の電車通学ってつらいですよね。しかも満員電車だと地獄です。
私は都内にある私立中高一貫の男子校に6年間通っていたのですが、毎日大変な思いをしながらの通学でした。
この記事では、長時間の電車通学のデメリットや通学時間を有効活用する方法について自分の経験をもとに紹介しています。長時間の電車通学真っ最中の学生の方や子どもの中学受験を控えている親御さんの参考になればと思います。
※基本的に中学生、高校生の通学に焦点を当てて書いています。
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目次
通学時間は6年間トータルで5000時間以上(私の場合)
長時間、電車で通学する学生にとって、通学時間は学生生活の中でかなりの時間を占めることになります。
私の場合は片道1時間40分(乗車時間1時間強)で往復だと3時間20分。土日のどちらかは必ず部活があったので、週6日学校に通っていた前提で計算すると、1週間の通学時間は合計20時間になります。
夏休みなどの長期休暇中にも部活があったことを加味すると、年間で900時間を超えます。中高の6年間トータルだと単純計算で5400時間。高校3年時には部活を辞めていたので、それを差し引いても5000時間以上となります。
5000時間は日数に換算すると約208日。中高6年間のうち、半年以上は登下校に費やしていたことになります。なんてこった・・。
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長時間電車通学のつらさ(デメリット)
朝早く起きるのがつらい
長時間電車で通学することのつらさは挙げたらきりがないほどありますが、まずは朝早く起きなければならないということでしょう。
私は毎朝6時半には家を出ていたので、5時台には起きていました。早起きは三文の徳などとも言いますが、少なくとも中高生くらいの年齢の時期には当てはまらないですね。最近の研究によると中高生は大人よりも多く睡眠を取る必要があるようです。
寝不足中高生、うつリスク「男子は8.5時間以上必要」1.6万人調査 ― 毎日新聞
健康面、精神衛生の観点から考えても毎朝5時台に起きるというのは良くないと思います。とはいえ、現にそのような生活をしている人たちはどうしようもないでしょうから、睡眠時間確保のためには早く起きる分早く寝るなど(当たり前だが難しい)、工夫する必要があるでしょうね。電車で座れるならその時間に寝るというのも一つの手ですが、防犯上の観点からあまりおすすめはできません。
帰宅時間が遅くなる
通学に1時間40分もかかってしまうと、朝早く家を出なければならないだけでなく、帰宅時間が遅くなります。私は部活をやっていたので(平日は週4日くらい)、帰宅時間はだいたい8時過ぎでした。それから夕食やお風呂となりますから、自由に使える時間はあまり多くありません。
自由時間を増やせば寝るのが遅くなり睡眠時間が削られ、かといって早く寝た場合は自由時間が短くなるという残念なジレンマに直面します。
朝のラッシュ
私は中高時代に埼京線(赤羽→新宿間)を利用していました(利用していた3路線のうちの一つ)。現在は湘南新宿ラインなどもでき、以前に比べると多少混雑は緩和されてきていて混雑率も200%をきっているようですが、私が利用していた1990年代は日本で一番混雑する電車などとも言われていました。
調べてみると、1996年の池袋→新宿間の混雑率は238%です。車内ではほとんど身動き取れないどころか、四方八方から他人の身体がのしかかり立っているのもつらかったです。
毎朝駅のホームでは「押し屋」と呼ばれる人たちが電車に乗り切らない乗客を車内に押し込んでいました。人身事故や大雪、台風などで遅延が発生するとホームから人が落っこちるではないかというくらいに人が溢れ、地獄のようなその光景は今でも目に焼き付いています。
最寄り駅が始発駅だったりすると座れる可能性が高いので、乗車時間が同じだとしてもラッシュ時の辛さはもう少し和らぐと思います。
大人の醜さを知る|痴漢・スリを目撃
朝のラッシュ時間は会社勤めのサラリーマンをはじめとする大人たちとともに電車に乗ることになります。私はそこで大人たちの醜さを何度も目の当たりにしました。
まずは痴漢ですね。埼京線は日本でも有数の痴漢が多い路線と言われていますが、私も何度か目撃しました。最初に目撃したのは中学に入学したての頃で、被害にあっていたのは中学生の女の子。はじめはその子に体を密着させているおっさんが何をしてるのかわからず、呆然としてしまっていたのですが、後から「ああ、あれは痴漢だったのか」と理解しました。
会社員らしき被害者の女性が「やめてください!」と痴漢の手を掴んで次の駅で駅員に突き出しているのを目撃したこともあります。犯人は、たぶん50代くらいの気の弱そうなはげ頭のおっさんでした。「一人の男の人生が終わる瞬間を見た!」なんて感慨を覚えた記憶があります。
痴漢に関しては、ただ目撃するだけでなく自分自身が被害者にもなり得ます。これは女子に限らず男子でも被害を受ける可能性があります。実際に私も痴漢被害にあった男の友人を知っています。
冬の時期にコートの中に手を突っ込んで財布をあさっているスリを見たこともあります。失敗していましたが。怖くて声はかけられませんでした。
その他にも、毎日同じ人(サラリーマン風の30代くらいの男)に新宿で降りた瞬間から靴のかかとを踏まれ続けるという意味不明な嫌がらせを受けたり、身体がぶつかってしまった男に怒鳴られたりと嫌な思い出ばかりです。大人の醜さを知るという点では社会勉強できたとも言えなくはないですが、そんなの一度や二度でいいですよね。ほぼ毎日そんな気分を味わうっていうのは青少年の心の成長を考えると最悪だと思います。
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長時間の電車通学真っ最中のあなたへ|通学時間の活用法
長時間の電車通学の辛さ、デメリットについて自分の経験を元に書いてきましたが、さすがに満員電車に揺られているだけの往復3時間20分だったわけではありません。そんなんでは気がおかしくなります。
とにかく時間が腐るほどあるので、これを利用しない手はないです。たまには窓の外の景色を眺めたり、何も考えずにぼぉーするというのもいいですが、充実した学生生活を送るためには通学時間をなんとか有効活用しましょう。
長編小説を読もう
最もおすすめなのが本を読むことです。単行本は満員電車では読めないので、文庫本がいいでしょうね。特に長編小説がおすすめです。私は司馬遼太郎をよく読んでいました。『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』、『坂の上の雲』など。たとえば『竜馬がゆく』は文庫で全8巻です。何冊にも渡る長編小説はすぐには読み終わらないですし、毎日のルーティンにすると作品世界に入り込みやすく楽しいです。電車に乗って自分の立つ位置を確保したらすぐに鞄から本を取り出し、車内の憂鬱な空気を振り払うように読みふけりましょう。
歴史小説は比較的シリーズものなどが多いのでおすすです。司馬遼太郎や池波正太郎、塩野七海はサクサク読めます。日本史や世界史に興味を持つきっかけになるかもしれません。
高校生くらいになったら、海外の古典を読むのもいいかもしれません。セルバンテスの『ドン・キホーテ』、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、マルセル・プルーストの大長編小説『失われた時を求めて』など、世の中には一生のうちに読み切れないほどたくさんの素晴らしい古典作品があります。膨大な通学時間をぶつけるに足るだけの傑作だらけです。
Kindleなどの電子書籍端末を利用するのもいいでしょう。ページを移動するのも楽だし辞書機能もあるので、英語で書かれた本にも挑戦しやすいです。
スマホのアプリで夏目漱石や芥川龍之介、太宰治らの青空文庫を片っ端から読みまくるというのもいいですね。
私は中高時代の通学時間に読書習慣を身につけたといっても過言ではありません。未だに長時間電車に乗るときは条件反射的に鞄から本を取り出しますし、車内での読書が一番集中できるしはかどります。その後の人生においても本は心の拠り所であり続けています。仕事が辛い時期、会社の昼休みにカフェで読む海外文学に本当に救われました。今振り返ってみても、読書ができるというのは電車通学のメリットの一つと言えると思います。
勉強に励もう
中間テストや期末試験などの定期テストが近づくと、通学時間は勉強時間へと変化します。英単語や化学記号、数学の公式、世界史、日本史など、なかなか家でははかどらない暗記系の学習が向いていると思います。
中高時代を思い起こすと、私はほとんど電車と学校で勉強していた記憶があります。電車内でやれることは選択肢が少なく限られているので、家よりも集中できるんです。
大学受験の準備が本格化し始める高校2年以降は主に受験勉強に励みました。自分と同じように遠距離から電車で通学していた友人たちも受験の時期は皆電車内で黙々と勉強していました。
▼英単語帳でおすすめなのは豊富な例文とともに単語を覚えられる『DUO』
▼英語の読解力をつけたい方には伊藤和夫の英文解釈教室がおすすめです。
音楽を聴こう
photo credit: Project 365 – A Photo A Day via photopin (license)
車内が身動きが取れないほどに混雑しているときはよく音楽を聴いていました。当時はディスクマンやMDウォークマンの時代で、好きなアーティストのアルバムを延々と繰り返し聴いていました。片道で1周してしまうので飽きるのも早かったですが。
今はApple Music、LINE MUSIC、Google Play Music、Amazonプライムミュージックなど、音楽聴き放題のサービスがたくさんあるのでそう簡単には飽きないでしょう。自分が知らないアーティストや聴いたことのないジャンルにガンガン挑戦してみてください。
※音漏れには注意しましょう。経験上、怒鳴られる可能性があります。
英語のラジオを聴こう
AFN(American Forces Network、在日米軍向けのラジオ局)など、英語のラジオもよく聴いていました。英語のリスニング対策として聴いていたのですが、音楽も流れるのでここで知った洋楽のアーティストも多くいます。
英語のリスニングはどれだけの時間を費やしたかということが大事になってくるので、腐るほど時間のある電車通学者は英語を得意科目にできる可能性大です。私はこの頃の経験を活かし(?)、英語教育で有名な某大学に合格し、TOEICでは900点を超えています。やり方次第で英語に強くなれるというのは、遠距離から電車で通学することのメリットの一つかもしれません。
ラジオでなくても英語関連のYoutubeの動画を見たり聴いたりするのも良いと思います。おすすめは著名なYoutuber、バイリンガールことchikaさんのチャンネルです。英語の細かなニュアンスを日本語で解説してくれるのでとても分かりやすいです。
スマホゲームは?
スマホゲームをやるというのも、電車内での退屈な時間を潰すという意味では良いと思います。何かとストレスフルな生活を強いられる中高時代にリフレッシュする時間は必要です。
ただ、塵も積もれば山となるで、毎日長時間電車に揺られる者にとって通学時間は学生生活の多くの時間を占めることになります。後から振り返ったときに、もっと他のことをしていれば良かったと後悔するのは避けたいですよね。できる限り自分が有益だと思うことを選ぶといいと思います。もちろん、ゲームをすることに有意義なものを見いだせるならそれでも全然オッケーだとも思います。私はスマホゲームに関して疎いので、少しばかりの偏見があるのかもしれません。
※バッテリーの消耗には注意しましょう。
まとめ|通学時間は短い方がベターではあるが・・
私は自分の中高時代の6年間を振り返ったとき、通学の大変さというのがまず最初に思い出されます。正直言うと、長時間の電車通学にはほとんどデメリットしかないとさえ思っています。もっと学校が近ければ、もっと色々とやれることがったのではと考えてしまい、この年(30代)になっても親を恨めしく思ってしまうことさえあります。
ただ、長時間、電車で通学せざるを得ない状況というのもあるでしょうし、当事者である中高生にとっては通学時間を短縮するというのは困難です。そのような動かしがたい現実を前にしたとき、その環境の中でなんとかもがいて事態を好転させようとするのが人間でしょう。私は上で紹介したこと以外にも、何本か電車を遅らせて始発に乗ってみたり、比較的空いている路線を利用するために遠回りしてみたりと色々と工夫しました。
いずれにせよ、通学時間は膨大な時間を費やす分、活用の仕方次第で自分の能力を伸ばす大きな可能性を秘めていることもまた事実です。通学時間を有意義なものにするための労を惜しんではなりません。
それでもつらくてどうしようもなくなったら、「引っ越し」や「転校」という選択肢もあります。そう簡単にはいかないとは思いますが、まずは親に話してみてください。私は事情があってそれができなかったので黙々と耐え忍びましたが。
親は子どもの立場に立って考えてみる必要があります。不満も言わず平気な顔をして毎日学校に行っているからといって何も問題がないと思わないでください。子どもは与えられた環境を抜本的に変えるという発想を持っていないことがほとんどです。住む家を比較的自由に選べる会社員の長距離通勤と子どもの長距離通学は質的に異なります。親がその大変さを理解し、場合によっては環境を変える行動を起こすべきだと思います。
以上、参考になれば幸いです。
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