パパ嫌いになっちゃった?2歳娘が父親を拒否。でもケア責任から逃げちゃダメ

突如として娘に「パパ嫌い」の季節が訪れたのは2歳の頃。

それまで自分なりに子育てを頑張ってきたつもりだったので戸惑いました。

2018年現在、4歳になった娘はパパ嫌いと言ったり理由なく拒絶してきたりということはほとんどありません。

幼児期のパパ嫌い!とかママ嫌い!というのは一時的なものなのかもしれませんね(育児から逃げないこと、子が嫌がることを執拗に続けないなど、前提条件はいくつかあると思いますが)。

ただ、「いや!」とか「ダメ!」と言われていた当時は「なんでこんなこと言うんだろう」とか「子との接し方に何か問題があるんだろうか」などと色々思い悩みました。

おそらく同じような悩みを持つ方は多いのではないかと思います。

そこで今回は、幼児が「パパ嫌い」になる理由やその対処法、どのようにして収束していったかについて、当時を振り返りながら書いてみたいと思います。

※記事タイトルが娘となっていますが、一方の親・保護者に対して拒絶するような反応を見せるのは性別関係なく幼児期に見られる傾向です。

▼イヤイヤ期の対処法についてはこちら。

関連記事:イヤイヤ期の接し方と対処法についての実例紹介。

▼3歳頃は「ママ嫌い」も連発(一過性のものでした)。

関連記事:幼児が「ママ嫌い!」と言うのはなぜ?

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1歳11ヶ月頃から私を遠ざけるような行動が・・

娘に「パパ嫌い!」的言動が見られるようになる以前、我が子との関係は良好でした。

保育園にお迎えに行ったときなどは、絶叫しながら物凄いスピードで「パパ―!」って感じで走ってきましたし(懐かしい・・)。

ところが1歳11ヵ月を過ぎた頃でしょうか、私を遠ざけるようになってきたのです。

2歳娘のパパ嫌い。具体例を紹介

当時は不思議でしょうがなかったのですが、2人きりでいるときは大丈夫なんですよね。

保育園の送りのときとかは抱っこをせがんできて、私から全然離れようとしなかったり。

問題は妻と3人のとき。

私を仲間外れにしようとするんです。

例えば、リビングのソファーに3人で座って『トトロ』や『魔女の宅急便』など、娘お気に入りのアニメを見ていると、いきなり私の服を引っ張ってきてソファーから突き落そうとしてくる。

抵抗しようものなら、眉間に皺を寄せた子どもらしからぬ険しい表情で、「ダメでしょー!」

なにが?

一体全体何がダメなのか全く意味不明だったのですが、メチャクチャしつこいんですよこれが。

何が何でも私をソファーから突き落とし、妻と2人きりになりたがるんです。

この理不尽極まりない仕打ちに抗おうものなら、即座にギャン泣き

私はそのとき悟りました。ああ、これが世に言う幼児のパパイヤ期ってやつかと。

ちなみに、思春期以降の娘のパパ嫌いとは異なります。あれには父親による家庭内でのセクハラ等、相応の理由があると思っています(詳しくはTwitterで「#私が父親を嫌いになった理由」というハッシュタグを参照してください)。

▼パパ嫌い以外にも悩みはつきません。自転車に乗ってくれないときの対処法についてはこちら。

関連記事:2才の娘が子ども乗せ自転車に乗らない!嫌がる子を乗せるコツを紹介します。

それでも育児から逃げるのはありえない

噂には聞いていました。妻のママ友の話によると、子ども(女の子)が1歳10カ月頃から猛烈なパパ嫌いになってしまったそうで、パパさんが猛烈に凹んでいるらしいと。

それまではそのパパさん、そこそこ積極的に育児にコミットしていたそうなのですが、パパ嫌いの時期が来てからはやる気を無くしてしまい、以来、子どもの世話をあまりしなくなったと。

うーん、この気持ちけっこう分かります。でも育児から逃げちゃダメですね。

ただ、子どもに「パパ嫌い!」と言われたときのショックは、ちゃんと子どもに関わってきたという自負を持つお父さんであればあるほど大きいのではないかと想像します。

私は妻の妊娠をきっかけに会社員をやめて兼業主夫をやっているのですが、外で仕事をしている父親に比べると子どもの世話をしたり一緒に遊んだりする時間は長いと思います。

にもかかわらず当時の娘は全力で私を押しやってのけものにし、妻と2人きりの空間を確保しようするのです。

あるときは、リビングから押し出され「じゃあね、バイバイ!」という捨て台詞とともにドアを閉められ、廊下に立ち尽くすという悲し過ぎる状況に。

あやうく泣くところでした。

一応言っておきますが、モチベーションが下がったから育児するのやーめた、なんてのはあり得ません。それは「育児をやってやってる」という無責任さの表れだし、「育児を降りる」なんて選択肢を持たない人(多くは母親)のことを考えれば倫理的にも許されることではないですね。

▼私が主夫になるまでの顛末についてはこちら。

関連記事:なぜ僕は主夫になったのか:男の育休が「あり得ない」世の中

パパ嫌いは珍しくない

パパ嫌い!って感じで拒絶されていた頃は、やはり自分の育児に対する自信を喪失していました。

こんなことを言うのはうちの子だけなのだろうか?と不安になったり。

そこで同じ境遇のお父さんたちを探してみました。すると、みなさん悩んでいるんですよね。

「パパ嫌い!」と言われまくってます。

これは日本に限らず、海外でも同じようです。

例えばこちらのテレグラフ(イギリスの新聞)の記事

参照:Why do children hate their dads – and how should we deal with the rejection?

息子から全力で拒絶され、”Mummy do it. Mummy do it.Mummy do it. (ママがやって!ママがやって!)”と連呼されて悲しみにくれるお父さんの悲痛な叫びが書かれています。

こうして同じ境遇のお父さんたちがいることを知るのは意外と重要だと思っています。

子どもから拒絶される父親は自分だけではないと知ることで、自分の育児に対する自信がいくらか回復しますし、不安が和らぎます。

中には子どもへの嫌がらせ行為・加害行為(やたらと身体を触る等)に気づいていなかったり、気づいていても「愛情表現」などと自己正当化する認知の歪んだ父親もいますが、そういった父親は嫌われて当然です。

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パパ嫌いの理由はなんだろう

子どもが「パパ嫌い」になると、やはりその理由を知りたくなりますよね。

以下、考えられる理由をいくつか挙げてみます。

生存に不可欠な養育者をより好む?

「パパ嫌い」または「ママ嫌い」といった乳幼児の行動を学術的に解説した情報はなかなか探し出せなかったのですが、英語圏で広く利用されている育児サイトParents.comで参考になりそうなものがありました。

この記事によると、乳幼児は自分が生きていく上で最も基本的かつ重要なケアを提供してくれる養育者を信頼し、より好む傾向にあるとのこと。

このような子どもの心理・行動は、小児期の分離不安が始まる生後6ヶ月から見られるそうです。

ちなみに小児期の分離不安とは、子どもが愛着を持つ存在(親など)と離れるのを恐れる心理状態で、乳幼児期には一般的な兆候だと言われています。

参照:分離不安および人見知り MSDマニュアル家庭版

我が家では離乳食が始まるまでは母乳育児を続けていましたし、寝かしつけも基本的に妻が授乳しながらでした。

食事や睡眠といった娘の生存に不可欠な要素を主に担ってくれていた妻の方が私よりも優先されるというのは、なかなか説得力のある説明のように思えます。

なお、記事の中では、子どもが主たる養育者(primary caregiver)を誰とするかは時間の経過とともに変化していくとも書かれていました。父親もしくは血縁関係のない保護者が子どもにとって「主たる養育者」になったとしてもなんら不思議なことではありません。

参照:Is it normal for a baby to prefer Dad over Mom?

一緒に過ごす時間の長さ

私は在宅で仕事をする兼業主夫ですので、会社勤めをしている父親に比べると娘と過ごす時間は長いと思います。

しかし、妻より長い時間娘と関わっていたかというとそうではありません。

妻は産後、一年間の育児休暇を取っていたので、その期間はずっと子どもと一緒でした(私も一緒でしたが)。

休日、ママ友と子連れで遊ぶために娘とお出かけするのは妻。保育園から帰宅後は、私が夕飯の準備をしている間、妻と娘が2人で遊ぶのがいつものパターンです。

今振り返ってみると、会社勤めをしている父親に比べたら子と接する時間が長いとはいえ、妻と比べたらおそらく短かったんですよね(3歳頃からは同じくらいの長さになったかと思います)。

先ほど紹介した記事に書かれていたように、乳幼児は自らの生存に不可欠な存在を優先するというのが本当であるなら、うちの子が、二者択一で私でなく妻を選んだとしても納得できる材料が当時は揃っていた気がします。

親密な関係だからこそ拒絶する?

幼児期の子どもがパパ嫌い!(ママ嫌い!)などと拒絶の態度を見せる理由の一つには、親との親密な関係性も挙げられます。

児童心理学者のKrista L. Swanson氏によると、子どもは父親(母親)を拒絶したとしても、そこで関係が終わることなく再び自分が暖かく迎え入れられることを知っているのだそうです。親を拒否するような言動は普段から受けとっている愛情が不変のものだと安心しきっているからこそとのこと。

参照:When One Parent Is Favored

たしかに、うちの娘も私や妻以外の人には「嫌い!」などと言い放ったり、あからさまに拒絶するようなことはありませんでした。

いくぶん逆説的ですが、子どもの「ママ(パパ)嫌い!」が親密な関係性を築けていることのサインだと解釈すれば、ただただ凹み思い悩むという心理状態は回避できそうです。

繰り返しになりますが、子どもに対する加害行為を愛情表現だからと執拗に繰り返すような父親は嫌われて然るべきです。そういった父親が子どもの「パパ嫌い!」を「親密な関係性が気付けているから」と置き換えてしまうのは最悪です。自らの行為を振り返って、またはパートナー等の第三者の視点から見て子どもに嫌われる相応の理由(嫌がらせ行為等)がないと言い切れる場合に限り、こういった解釈は許されるものだと思います。

パパ嫌い!は子どもの成長の証?

幼児は親を一時的に拒絶したり、再び甘えてきたりといったことを繰り返しますが、これらの行動は彼女ら彼らが成長していることの確固たる証であるという専門家もいます。

発達心理学者でラトガース大学教授のLorraine McCune氏によると、こういった行動からは幼児の以下のような能力の発達を見て取ることができるとのこと。

  • 他者と特別な人間関係を結べる
  • 感情や欲求を言葉にできる
  • 自分で選択できる
  • 自らの行動が周囲にどのような影響を与えるか理解できる

これらは全て、子どもの成長にとってとても重要なステップだそうです。

パパ嫌い!(ママ嫌い!)が、子どもの成長の証であると思えば、拒絶されることの辛さもなんとか耐えられる(?)かもしれませんね。

参照:Is it normal for a baby to prefer Dad over Mom?

やっぱり父親は母親には勝てない、という言い訳

母親が妊娠、出産を主に担うというのは仕方ないとして(もちろん夫がサポートできることはたくさんありますが)、産後の子どもの世話等の負担も母親に偏っている現状を考えると、幼児期に母子が排他的で緊密な状態になるのは今の社会状況をそのまま反映しているようにも思えます。

自らの生存に不可欠な相手として、子どもが母親を選ぶのは必然なのではないか?と。

ただ、これを「やっぱり育児はママじゃなきゃダメなんだな」とか「父親はどう頑張っても母親には勝てない」などと本質主義的に解釈するのは間違っています。

これは母親礼賛、母性礼賛の仮面をかぶったエクスキューズに過ぎません。

こうやっていつの世も男は女に育児の負担を押し付けてきたのではなかろうか。

この時期の子どもはみんな「ママじゃなきゃイヤ」になるんだから仕方がない、などと開き直って子と距離を取っていたら、永遠にその距離を縮めることはできないかもしれません。

ああ、今は妻とべったりしたい時期なんだなと我が子の気持ちを汲んであげた上で、それでも諦めることなく粛々と育児にコミットし続けることが大事なのではないかと思います。

ここで距離を取ってしまっては、子どもとの関係性において後々取り返しのつかないことになりかねませんし、妻への負担を増やしてしまうという意味で倫理的にも許されないことでしょう。

親として、子を世話する責任から逃げてはいけません。

▼はじまりは出産から。夫の立会い出産について。

関連記事:【立ち会い出産】夫の割合や役割は?できることは意外とあるよ

パパ嫌いの対策

幼児のパパ嫌い(ママ嫌い)は子どもの成長過程で自然に見られるということですが、とはいっても我が子からの拒絶の繰り返しをただただ耐え忍ぶと言うのはなかなか辛いものがありますよね。

なにかしら当事者やパートナーができる対策、心構えなどはあるのでしょうか。

冷静に。決して怒らない

拒絶してくる子どもに対して感情的に怒ってしまうというはよくありません。とにかく冷静になることです。

無理やりこちらに振り向かせようとするのも効果的でないでしょう。これは大人の人間関係でも同じですね。しつこ過ぎるのはNGです。

子どもが「パパ嫌い!」「パパあっち!」「ママがいい!」等々ヒートアップしてしまっていたら一時的に距離を置くことも必要だと思います(あくまで“一時的”にです)。

同時に、子どもが嫌がる行為を自分が行なっていないかを常にチェックすることも忘れずに。

悲しいという気持ちを伝える

私は拒絶されて悲しいという気持ちをなるべく娘に伝えるようにしていました。

こうすることで他者の気持ちを推し量ったり想像したりするトレーニングにもなるのではと思います。

また、妻が折に触れて「その言い方はパパ悲しい気持ちになるよ」と娘に伝えるようにしてくれていました。

パートナーを肯定する言葉(対等なパートナーシップが前提条件)

「ママ(パパ)は〇〇ができるんだよ!」とか「この前〇〇してくれたよ!」等々、子に拒絶されている方のパートナーを肯定する言葉を使うようにするのも良いかもしれません。

パートナーに対して使う言葉は、理解力がついてきて他者をなにかとジャッジするようになってくる3歳、4歳頃には特に注意が必要です。

相手を軽んじるような言葉を子どもの前で発することの影響は大きいと思います。

とはいえ、夫が家庭を顧みず育児家事を何もせず横柄な態度で威張り散らしているだけのような人であれば嘘をついてまで褒め称える必要はありませんけどね(当たり前)。そういう人は自業自得です。

夫婦間の対等な関係性が前提条件となります。

愛情を伝える

どんなに拒絶されても、子への変わらない愛情を示し続けるのは重要だと思います。

「いつでも戻ってきてね」という子どもへのメッセージといった感じでしょうか。

こちらが拗ねてしまって「じゃあいいよ!」となってしまうのは保護者がとる態度としてはNGです。大人なんですから。

2人きりの時間を作る

子どもと2人きりの時間を作るのも有効でしょう。

一緒にお出かけしてみるとか、パートナーにちょっと外出してもらって家で2人で遊ぶ時間を作り出すとか。

子と1対1で向き合い、一緒に何かを作ったり遊んだりという経験の積み重ねは子どもとの距離をグッと縮めるかもしれません。

子どもがまだ小さく人見知りなどが激しい時期であれば、ママ(パパ)が外出中ずっと泣き続けるということもあるかもしれませんが。

叱り役・しつけ役を固定しない

子どもを叱ったり、しつけたりする役回りを親の片方が担っていると子どもはより楽しい方(怒られない方)に寄っていくというのはよくあることだと思います。

(※このような傾向は3歳、4歳以降に顕著になってくる気がします。)

私は子どもの叱り役・しつけ役を固定する合理的な理由はないと思っているので、我が家ではこういった役回りをフレキシブルにするように心がけています。

イヤイヤ期が始まって以降は子どもを叱るというのが育児の中でも本当に大きな負担になってくるので、これを一人の人間に任せっきりにするのはかなり無理があると思います。

叱る・しつけるという役割をパートナーとシェアする場合、叱る際の基準をある程度共有することも重要だと言われています。そこがブレると子どもが混乱してしまいますからね。

※上で紹介した対策はあくまで我が家での経験に基づいたものですが、以下のHUFFPOSTの記事にも似たような方法が紹介されています。

参照:When Your Child Prefers One Parent Over Another

パパ嫌いは一時的なもの?

パパ嫌いの季節は一過性のものだと思います。こちらがしっかりと子どもと向き合い、育児から逃げることをしなければ、いつか「パパ嫌い」は終わると思います(子に対する加害行為がないというのは当然の前提)。

今では懐かしい記憶ですが、パパ嫌いが幾分解消されたのでは?と思った日はこんな感じでした。

きっかけは妻が夜勤の日。妻がいないので、当然娘の世話は私一人で担うことになります。保育園にお迎えに行き、夕飯を食べさせ、お風呂に入れ、絵本を読み、一緒に寝ました。

嬉しいことに、娘は終始ご機嫌。

当時は私を遠ざけ「ママがいい」を連発する日々が続いていたので内心ビビっていたのですが、蓋を開けてみれば抱っこをせがんできて甘えてくるし、準備した夕飯もニコニコ食べてくれるし、一番心配していた寝かしつけもこの日はとてもスムーズで、朝までぐっすり眠ってくれました。

このように2人の時間を積み重ねていく中で、あからさまに私を遠ざけることは少なくなっていったように感じます。

私も意識的に娘と接する時間を長くしようと試みたり、たくさん話しかけたり、色々工夫していたことが功を奏したのかもしれません。

いずれにせよ、育児から逃げずに子どもとしっかりと向き合い続ければ、一時的に拒否されることはあっても、その状態が永遠に続くことはないと思います(中には親子の相性のようなものがあったりするのかもしれませんが)。

まあ子に好かれるために育児をしているわけではないので、そこは勘違いしないようにしないといけませんけどね。彼女ら彼らの命を守り生活を支えるのが私たち保護者の責任ですから。子の生活に必要な諸々に対して責任を放棄するというのはありえないです。

それと強調しておきたいのは、子どもが嫌がっているのに無理やりスキンシップをするとかいうのは最悪です(そういう人が多い)。子どもが嫌がっていることを喜んでいると思い込むような人は「パパ嫌い」「ママ嫌い」の原因を探ったり改善策を考える以前に自らの認知の歪みにしっかりと向き合うべきだと思います。

以上、今回は子どもの「パパ嫌い!」の時期について振り返ってみました。

ではでは。

▼3歳になってからは「ママ嫌い!」を連発していましたが、これも一時的なものでした。

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