子どもが叩いてくる!理由は?親はどう対応すべきか考えてみた。

日々の子育ての中で、子どもが叩いてくることにお困りの方は多いのではないでしょうか。かくいう私も娘が2歳〜3歳の時期はボコボコに殴られ蹴られの毎日でした。

キュートな見た目に似つかわしくない暴力的な行動の理由はなんなのでしょうか。また、親はどのように対応すべきなのか、考えてみたいと思います。

※ここでは特に2歳、3歳くらいの幼児の暴力的態度と対処法について書いています。

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実例紹介|どのような状況で叩いてくるか

まず大事なのは、どのような状況で我が子が叩いてくるのか、そのトリガー(きっかけ)を把握し記録することです。

例えばうちの娘はこんなときに叩いてきます。

自分のテリトリーを侵害されたとき

これは以前、パパ嫌いになっちゃった?2歳娘が父親を拒否。でもケア責任から逃げちゃダメという記事にも少し書いたのですが、私、妻、娘の3人でソファに座って『となりのトトロ』などのアニメを観ているとき、突然「ダメでしょー!」と言って私を蹴落としてくることがあります。こちらが抵抗しようものならますますその攻撃性はエスカレートし、ソファから私が転げ落ちるまでキックの連打。

これはおそらく自分のテリトリー(居場所)を侵害されたことにムカついているのだと解釈できます。子どもが成長していく段階でここは自分の場所!という意識が芽生えてきて、そこに誰かが侵入してくると拒絶反応を起こすのでしょう。

ソファに3人で座っているとき、だいたい娘は妻にべったりです。ソファは大人2人用の大きさで親子3人がゆったり座れるほど大きくありません。お腹を満たすことに夢中な娘にとって私は邪魔なだけなのでしょうね(涙)

所有権を侵害されたとき

本人が(勝手に)所有権を有すると思い込んでいるおもちゃなどを他人に触られたりとられたりすると、キレます。「これ○○(娘の名前)の!」「ダメ!」と言って叩いてきます。

娘が2歳になったばかりのときには積木で額を殴られて軽く流血しました。そのときは私の顔が目の前にあり、挑発されていると感じたのかもしれません。でも、まさか殴ってくるとは思いもよらなかったのでショックでした。

「叩いちゃダメでしょ!」と強めに怒り、血が出ているのを見せるとさすがに怖くなったのかギャン泣きしましたが、叩いてはいけない理由を2歳になったばかりの子に理解させるのは難しいと思います。

機嫌が悪いとき

寝不足だったり、お腹が空いていたり、体調が悪いときなどは叩いてくることが多いです。特に風邪をひいているときなどはメチャクチャ機嫌が悪く、すぐに癇癪を起こします。

このようなときに叩かれたり蹴られたりしても「ああ、体調が悪いんだな」とそれほどこちらも感情的にならずに済みます。なぜ叩いてくるのか、その原因を把握できているのといないのとでは親の気持ちもだいぶ変わってきますね。

熱中していることを妨げられたとき

何かに熱中している際に妨げられるとブチギレます。

以前、鴨川シーワールドに遊びに行ったときの話ですが、ベルーガというシロイルカのショーが行われる場所でショーが終わった後も娘がなかなか動こうとしてくれず、仕方なく強制的に抱っこしたら鎖骨の下あたりを歯形が残るくらいにおもいっきり噛まれました。

その場所はショーが行われていない間も大きな水槽の中で泳ぐベルーガを観ることができ、娘はそれに大喜びで見入っていたのでどうしてもその場を離れたくなかったのでしょう。昼寝前で眠くてイライラしていたことも影響しているかもしれません。

上で紹介した要素が組み合わさると(お腹が空いている + おもちゃを取り上げられるetc)癇癪の度合いも激しくなり、暴力性も高まるものと推察されます。

全くわけのわからないケース

1、2歳くらいのときは、全くわけのわからない理由で怒り出すこともよくありますね。こういった子どもの「意味不明な怒り」に関してはみなさん経験していることと思います。

我が子の場合ですが、以前、「おうち描いてー」と娘に言われたのでいつもと趣向を変えて少し立体的に三角屋根の住宅を描いてみたら「ちがう!ちがうよー!」と突然号泣しだし絵本を投げつけてきました。機嫌はすこぶるよかったのですが。

もしかすると、いつも描いていた平面的な「おうちの絵」を期待していたところ、予期せぬものを私が描き上げたので訳が分からずパニックになったのかもしれません。この時期の子どもにありがちな理不尽なキレ方にはもう慣れているので私も「ああ、またか」といった感じで感情的にならずに済みましたが。こういったこだわりの強さ的なものは個人差も大きいと思います。

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なぜ叩くのか|気持ちを表現する言葉を持っていない

どのような状況下で子どもが攻撃的になるのかという実例を上で紹介しました。それでは、幼児が攻撃の手段として叩いたり蹴ったり噛んだりといった暴力的な行為を選択する理由は何なのでしょうか。

多くの専門家が言っているのは、「自分の気持ちを言葉で表現できないから」というものです。これは子育てをしていく中での実感としても納得できる理由だと思います。

うちの子も上手に話せるようになってくるにつれて、叩いてくる回数が目に見えて減ってきました。一度叩いたり攻撃的な態度をとったとしても、こちらがしっかり注意すると2度3度と同じことを繰り返すようなことは少なくなりました。2歳になりたてくらいの頃は問答無用でボコボコにされてましたから、大きな成長です。

おそらくまだ1、2歳の言葉を獲得する前の小さな子どもにとってみれば、「泣くこと」「噛むこと」「叩くこと」はコミュニケーションの手段の一つなのでしょう。

幼児期のまだ社会化されていない段階では、気持ちを制御できずに暴力的なコミュニケーション手段をとってしまうのは致し方ない気もします。

ただ、2歳、3歳くらいからは、叩いたり噛んだりする以外の社会的に許容されるコミュニケーションの方法も教えていかなければいけません。

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叩かれたときの対処法

叩く、蹴る、噛むといった暴力的・攻撃的な行為は、小さな子どもであればある程度仕方のないものですが、それが「いけないこと」だと教えていくことも大切です。では、叩かれたり蹴られたりしたときに親・保護者はどのように対処したら良いのでしょうか。

アメリカの小児科医で育児本なども出しているウィリアム・シアーズ医師が、parenting.comという英語圏で広く利用されている育児系ポータルサイト上で「叩いてくる幼児への対処法」についてアドバイスしているので、参考になったTipsをいくつか紹介したいと思います。

参照記事:Ask Dr. Sears: Toddler Hitting – parenting.com

絶対に叩き返さない

まず、子どもに叩かれても「決して叩き返してはいけない」ということが強調されています。私が調べた限り、国内外問わず多くの専門家が同様の意見です。

シアーズ医師によると、叩いてくる子どもに対し叩き返すということは、「物事を解決する手段として暴力を振るっても良い」という誤ったメッセージを子どもに送ってしまうことになるそうです。

「叩いちゃダメ」と言いつつ子どもを叩くというのはたしかに矛盾しています。私の親世代ではけっこう頻繁に行われていたしつけの方法だと思いますが、今の時代では日本においても一般的な叱り方ではなくなってきていますね。というか、最早どのような理由があっても子どもを「叩く」というのはNGです。

トリガー(きっかけ)を記録する

実例紹介のところでも少し書きましたが、シアーズ医師によると、子どもが叩いたり蹴ったり噛んだりしてくる際のトリガー(きっかけ)を記録しておくことが重要とのこと。

子どもが叩いてくるのはどんなときか。疲れているとき、お腹が空いているとき、退屈しているとき・・・etc

それらを記録し、そのパターンがわかってきたら、どう対処すべきかの判断基準にもなります。

また、子どもだけでなく私たち親・保護者の事情もトリガーとなり得るそうです。引っ越しや転園など、大きく環境が変わったときなどは子供もストレスを抱えやすくなると推測できます。

叩く以外の方法に置き換える

子どもは、怒っていたり癇癪を起しているわけでもないのに叩いてくることがあります。うちの娘も、かまって欲しかったり話しかけているのに私や妻が反応してあげなかったりすると、背中や脚を叩いてきたりしてきたことがありました。

そのようなときは、目的を達成するための手段として、「叩く」以外の方法を教えてあげると良いそうです。適切な手の使い方を教えるということですね。

先ほどの例でいうと、かまって欲しいときは「ねえねえ」と呼びかけながら軽く肩を叩くなど、見本を見せながら学習させると良いでしょう。

娘がソファから蹴落とそうとしてくると、私は「蹴るんじゃなくて、握手してくれたらどいてあげるよ」と言うようにしています。3歳頃からは「どいて」と口で言えるようになりました。ただ、私だってどうしてもソファからどきたくないときがありますから(笑)、そのときは「ソファはみんなで一緒に座るものでしょ」と教え諭すようにしています。効果はあったりなかったりでしたが。

場所を離れる

これは私たち夫婦が以前から実践していることですが、娘が癇癪を起こし、叩いてくるときはしばらくその場を離れ、静まるのを待ちます。2歳くらいの子どもは感情の切り替えが早く(同じ感情が持続する時間が短い)、時間を置くとケロッと機嫌が直っていることがよくあります。

逆に言えば、癇癪を起しているときは何を言っても通じません。火に油を注ぐような状態になってしまうこともしばしばです。ですから、どうしても叱らなければいけないシチュエーションでなければ私たちは一旦、娘を放置し、頃合いを見計らって声をかけるようにしていました。

これは家の中では実践できますが、外で癇癪を起されると大変ですね。その場に放置というわけにもいきませんから。

子どもの要求に応じるのはNG

シアーズ医師は、子どもがキャンディーやおもちゃを欲しくて叩いてくる場合、その要求に応じてはいけないと忠告しています。2、3歳くらいになってくると、叩くことによって自分が何を得られるのか理解できるようになります。

叩いたり蹴ったりした結果、自分の欲しかった物が手に入ってしまえば、今後その行為を繰り返す可能性もあるわけです。親・保護者がどこかに行ってしまったり、落ち着くまで放っておかれたりすることによって、叩いても何も得られないとだんだん理解できるようになってくるでしょう。

▼上で紹介したシアーズ医師の本は日本語でも出ています。こちらは3歳から7歳児向け。

▼こちらは0~2歳のベビー向けの本。600ページを超える大型本です。

なるべく冷静に。辛抱強く

上で紹介したことは決して特効薬にはなりません。私の経験からも言えることですが、これらを実践したらすぐに子どもが叩いたり蹴ったりするのをやめるということにはならないでしょう。

気をつけるポイントは、叩かれても私たち親はなるべく冷静でいるということです(とっても難しいですが)。私の経験上、こちらが感情的に叱ったところで上手くいったことはありません。娘の気持ちもどんどんエスカレートしていってしまい、泥沼にはまっていきます(笑)。

辛抱強く、粛々と子どもに「叩いてはいけないよ」と教え諭していくしかないのだと思います。これもまた難しいですけどね。

最後に|叩くのは「うちの子」だけじゃない

日々の生活の中で子どもの暴力的な行動を目にすると、「こんなことをするのはうちの子だけなんじゃないか」と不安になることがあると思います。

しかし、幼児期は誰でも叩いたり蹴ったりしてしまうものです。

私も自分の娘がやたらめったら叩いてくる時期があったので不安になり、保育園のパパ友に「○○ちゃんは叩いてきたりしますか?」と聞いてみたことがあります。答えは「ええ、バンバン殴ってきますよ」

うちの娘と同い年くらいの近所の子どもや私の姪っ子、甥っ子の話を聞く限り、多かれ少なかれみんな叩いたり蹴ったり噛んだりするようです(全くしない子もいるかもしれませんが)。

これは以前、保育園だとイイ子なのに家だとわがままな2歳児。理由はストレス?という記事にも書いたことですが、2、3歳くらいになってくると、子どもは家の中と外では「別人か!」と言いたくなるほどに別の顔を見せるようになったりします。

私たちが保育園・幼稚園の送迎や街で目にする我が子以外の子どもたちの見せる姿は、言ってみれば外面(そとづら)であって、家の中ではもっとわがままだったり癇癪を起していたりするはずです(逆のケースもあるでしょう)。外面だけみていると「みんないい子だなぁ、うちの子は育て方に問題があるのかなぁ」なんて思ってしまいますが、あまり心配し過ぎなくても良いと思います。

どうしても心配なときは通っている保育園・幼稚園の先生やかかりつけの小児科の医師など、信頼できる第3者に相談するのも良いかもしれません。適切なアドバイスを貰えれば、どのように対処すべきかのヒントにもなると思います。

関連記事:イヤイヤ期(2歳児)の対応方法について保育士さんに聞いてみた

私たち親も人間ですから子どもに叩かれるとついカッとなってしまいますよね。我が身を振り返っても完璧に冷静に対処できたことは多くありません。ただ、叩いてくる子どもを理解しようと努めること、より良い対処を試みることは大事だと思うので、今後も粛々と実践していく所存です。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

以上、かつかつ主夫@katsu2_shufuでした。

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