共働きの家事分担。上手にシェアする方法は?

共働き家庭における家事分担って大切ですよね。特に子どもが生まれたら上手に分担しないと生活が立ち行かなくなります。

我が家でも夫婦間の家事分担には結婚当初から悩まされてきました。おそらく同じような悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、日本における夫婦の家事分担の現状や上手くシェアする方法などについて考えてみたいと思います。

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日本における家事分担の現状

まずは日本における夫婦間の家事分担の現状について見ていきたいと思います。

世界一家事をしない日本の夫

日本では男性があまり家事をやらないイメージがありますね。私の周りでも奥さんと同レベルで家事をやっている男性はほとんどいないと思います。

では、実際にどの程度日本の夫は家事をしないのでしょうか。

Newsweek日本版の日本は世界一「夫が家事をしない」国という記事の中で、子どもがいる家庭における家事分担率の国際比較が紹介されています。

元になるデータは2012年に国際社会調査プログラム(ISSP)が実施した「家族と性役割に関する意識調査

社会学者の舞田敏彦さんが算出した日本における夫婦の家事分担率は18.3%という低い数字となっています。

参考記事:日本は世界一「夫が家事をしない」国 – Newsweek日本版

これは調査対象となった国の中で断トツの最下位です(最下位から2番目のチリは24.5%)。

1位はスウェーデンの42.7%、東アジアでは台湾が31.5%、韓国が25.8%、日本のみが唯一の10%台となっています。

このような調査結果から日本の夫は世界一家事をしないという現状が見て取れます。

夫は家事を“やってるつもり”?

先に紹介した統計から、日本の夫は国際的に見て特異と言っていいレベルで家事をしていないことが分かりますが、それでいて当の男性たちは“それなりに”家事をやっているつもりというデータがあります。

大和ハウス工業が2017年の母の日を前に行った「家事に関する意識調査」(20~40代で同居の子を持つ共働き夫婦が対象)では、家事参加率について夫は「夫3割:妻7割」と答えた一方、妻は「夫1割:妻9割」と答えており、家事参加について夫婦間でのギャップが見られました。

つまり夫は家庭内の家事の3割は「やっているつもり」ということですが、そう考える理由の一つとして調査では「名もなき家事」について言及しています。

「名もなき家事」とは?

「名もなき家事」とは、夫婦のどちらか(多くの場合妻)が家事と認識しているのに対して相手は家事だと思っていない家庭内の仕事のことです。

たとえば大和ハウス工業の調査では、「トイレットペーパーがなくなったときに買いに行く」ことについて、妻の83%が家事だと認識している一方、夫は67.3%しか家事と認識していません。

そもそもの家事の定義が異なることが、家事分担について夫婦間の意識のギャップを生む一因となっているようです。

当調査によると、実際に妻よりも家事を多くやっていた夫は1割のみ。妻の9割が夫よりも多く家事を負担しているという結果になりました。
参照:大和ハウス工業 「20代から40代の共働き夫婦の“家事”に関する意識調査」(pdf)

家事分担の意識ギャップは世界共通?

このような夫婦間の家事分担の意識ギャップは、日本だけの現象ではないようです。

アメリカのピュー研究所(Pew Research Center)が行った調査でも、夫は実際の家事分担率以上に「自分は家事をやっている」と考える傾向にあるようです。

参照:How Working Parents Share the Load – Pew Research Center

この調査を紹介しているparents.comの記事では、夫婦間の意識にギャップが生まれる原因として、夫は家庭内の仕事の内、「料理」や「皿洗い」、「子どもと遊ぶこと」など、身体的な労力を要すものを担うことが多い一方、妻は「病院の予約」や「子どもの看病」など思考力や精神面の負担の大きいものを担う傾向にあることが挙げられています。

夫婦間における家事分担の認識ギャップというのは、程度の差こそあれどの国にもあるものなのかもしれませんね(夫が料理するというところに、日本とアメリカの大きな違いを感じたりもしますが・・)。

このような「名もなき家事」だったり、それぞれの家事に要する労力についての認識の違いを埋める作業は、共働き世帯の家事分担を考える最初の一歩になります。

家事を上手にシェアする方法

家事の負担が妻に偏っている現状について見てきましたが、それでは家事を上手にシェアするにはどうすればよいのでしょうか。

以下、効果的だと思われるTipsを私たち夫婦(共働き歴10年以上)の経験も踏まえていくつか紹介します。

優先順位を話し合う

洗濯機

まずは、必ずやる必要があること、やりたいと思っていることについて、パートナーと話し合うことが大切です。

優先順位をつけることで、シェアすべき家事とそもそもやらなくて良い家事を選別できます。

たとえば我が家では、夫婦ともども食後の食器洗いは必須と考えているので(コバエ対策&なんとなく気持ち悪い)翌日までシンクに汚れた皿を残しておくことはありません。

一方で夫婦ともに洗濯物を綺麗に畳みたいとは全く思わないたちなので、乾いたらかなり乱暴に衣装ケースにしまっています。また、掃除に関しては最低限やっておけば良いと考えており、掃除機は週に1回程度、窓掃除などは年に1回くらいです。

当初は家事の優先順位について二人の間に考え方の違いがありましたが、結婚生活が長くなるにつれ徐々に溝が埋まってきたように思います。

「名もなき家事」をなくす

夫婦間の家事に対する認識のギャップを埋めることも大切です。

妻が家事と思っている一方で夫は家事と思っていない名もなき家事について上で紹介しましたが、このような認識の違いをなくすことで、より正確に家事の総量が把握できます。

総量が把握できない限り、家事の公平なシェアが実現できるはずもありません。

そのためには、夫婦間のコミュニケーションが重要です。

「名もなき家事」の例としてはこんなものがあるでしょうか。

  • 献立を考える
  • 毎朝カーテンを開ける
  • 子どものオムツに名前を記入する
  • シャンプー・リンスの詰め替え
  • 保育園・幼稚園のイベント日程を把握
  • などなど

お互いが普段どのような家事を行っているのかバーッと書き出してみることをおすすめします。

すると、これまで見えていなかった名もなき家事が可視化されてくるでしょう。

夫の「オレ、けっこう家事やってるつもりだけど」という勘違いも減ってくると思います。

お互いが一通りの家事を経験する

夫婦ともに一通りの家事をやっておくと、それぞれの作業に要する時間や労力を想像できるようになります。自分で経験したことがないとなかなかその大変さって分からないものなんですよね。

たとえば料理は実際に作る作業だけでなく、毎日の献立を考えたり、冷蔵庫の残り状況を把握したり、いつ買い物に行って何を買うか計画したり、考えなければならないことがたくさんあります。

料理をしない人にはなかなか実感しづらいと思いますが、実はこういった「作る」以外の目に見えにくい要素がかなりの負担になるのです。

私は妻の妊娠が分かってから本格的に料理をするようになったのですが、それまでは料理がこれほど頭を使うものだとは思ってもみませんでした。

パートナーが普段行っている家事を短期間でもいいので自分でやってみれば、各家事の難易度や大変さをある程度理解できるでしょうし、お互いが納得できる形での家事分担の実現に近づけると思います。

ジェンダー・ロールを押し付けない

ジェンダー・ロール

夫婦間の家事分担がうまくいかず、妻にばかり負担が偏る理由はいくつかあると思うのですが(男性の長時間労働など)、その中の一つに日本社会に根強く残る性別役割分業ジェンダー・ロールがあると思います(個人的にはこれが最大の原因だと思っています)。

つまり、夫が妻に対して「女が家事をやるもの」といったジェンダー・ロールを押し付けるということです。

こういった性別役割分業意識は、「女の方が料理が上手」とか、「女の方が家事に向いている」といったような言動に現れます。

夫が妻にジェンダー・ロールを期待してしまっては、公平な家事分担など実現できるわけがありません。ジェンダーロールに縛られる限り、男性はいつまでたっても家事や育児を「手伝う」という意識から抜け出せないでしょう。

このような意識は生まれ育った家庭環境や社会状況に大きく影響されるので、フラットにするのはかなり難しいですが、お互いに率直に話し合うことである程度改善できる余地はあると思います。

家事の総量を減らす(完璧を目指さない)

やろうと思えば際限なくできてしまうのが家事の厄介なところですよね。時間のない共働き家庭にとっては、いかにして「ずぼら」になるかが勝敗を分けます。

ちょっとやそっと家事を「手抜き」したところで死ぬわけじゃないですし。

決して完璧を目指してはいけません。

二人で話し合い、あえてやらない家事の項目を増やしたり、やる頻度を少なくしたり、家事の総量を減らすことにより、グッと負担が減ります。

家電に投資する

家事の総量を減らすための手段として最も有効なのは家電に投資することだと思います。

我が家は時短家電の購入によって(大げさでなく)生活が一変しました。

代表的な時短家電といえば下記の3つ。新・三種の神器などとも呼ばれています。

  • 洗濯乾燥機
  • 食洗機
  • ロボット掃除機

我が家では洗濯乾燥機食洗機を購入しました。

この2つはもう、最高の一言。

単純に洗濯物を干す作業と食器洗いがなくなるわけですが、個人的に強調したいのはそれ以外の頭を使う労力が軽減されるということです。

たとえば乾燥機能のない洗濯機を使っていた頃は、毎日の天気を気にしなくてはいけませんでした。これが非常に面倒くさい。

今では天気のことなど全く気にせずポンとボタンを押すだけなのでむちゃくちゃ楽です(ちなみに私が住んでいるマンションには浴室乾燥機能がありません)。

▼洗濯乾燥機導入に踏み切った理由や感想はこちら

洗濯が面倒でつらい!洗濯乾燥機を買ったら生活が一変したよ。

食洗機に関しても、それまでは食べ終わった後の洗い物のことを計算してレシピを考えたり(なるべく油がこびりつくようなものは避ける等)余計なことに頭を使っていたのがなくなり、皿洗いの労力だけでなく料理を作るストレスがかなり軽減しました。

▼我が家で購入した据え置き型食洗機の感想も書いています。

賃貸でもOK!据え置き型の食洗機を使ってみた感想

▼加湿器も手入れが簡単なものに買い換えました。

象印のスチーム式加湿器は手入れが楽。助かる。

一時的にお金がすっ飛びますが、これら時短家電の導入により長い目で見ればかなり膨大な時間が浮くことになります。

浮いた時間を他のこと(子どもとの時間や趣味、副業等)に費やせることを考えればコスパはかなり良いと思います。

帰宅時間を早める

長時間労働も家事分担が妻に偏る要因になっています。

よく見かけるのは、夫の帰宅は夜遅いので、比較的早めに帰宅できる妻が保育園・幼稚園のお迎えや買い物、夕飯の支度など家事・育児の大半を担うことになるというケース。

職場に男性が縛り付けられることはまた、「オレは仕事で遅くなるから家事やらないのは仕方ない」というふうに、夫が家事をしないことの言い訳にも使われがちです。

長時間労働の問題は、企業や社会全体が対策しなければ解決しませんが、なるべく残業をしないように心がけたり(職場の帰りづらい空気に抗う努力も大切)、無意味な飲み会の誘いは断ったり、職場に近いところに引っ越して通勤時間を短縮するなど、帰宅時間を早めるために当事者ができることも少なくないと思います。

連日深夜までといった長時間労働が続くようでしたら転職を考えてもいいかもしれません。

完璧な公平さにこだわり過ぎない

共働きの家事分担を考える上で、完璧な公平さにこだわり過ぎないということも大事だと思います。

完全に50対50の負担で家事をシェアすることなど不可能です。

家事の項目をエクセルシートなどで「見える化」した一覧表などもありますが、これらはあくまで家事負担の全体像の把握と「名もなき家事」の可視化に利用すべきもので(この点ではものすごく有用)、夫婦それぞれのやっている家事を点数化してイーブンを目指すのはナンセンスだと思います。

そもそも家事の労力を数字化すること自体が難しいですよね。

「料理」と「ゴミ捨て」は項目としては一つでも実際の労力は全く異なりますし、じゃあそれぞれ何点なのかといったらそれも一概には決められないですし。

「完璧な公平さ」を目指すことで相手の粗ばかり見えてストレスになってしまっては元も子もありません。

かといって、明らかな家事負担の不均衡に目をつむるわけにもいかないのでバランスが難しいですが。

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まとめ|前提になるのは夫婦間のコミュニケーション

今回は共働きの家事分担について考えてみました。

いくつかTipsを紹介しましたが、それらの前提として重要になるのは夫婦間のコミュニケーションだと思います。

普段の家事・育児の負担を見える化して共有するのはもちろん、お互いの仕事の状況や身体的・精神的な健康状態を知る上でもコミュニケーションは欠かせません。

言葉にしなければ伝わるものも伝わらないですからね。

家事分担というのは、長時間労働やジェンダーなどさまざまな社会的な問題が絡む難しい問題です。我が家でもお互いに完全に納得できる形での家事分担はいまだに実現できていません。

一筋縄ではいかないからこそ、常日頃からコミュニケーションを大切にしています。

そもそもが育ってきた家庭環境や価値観の異なる他人同士が共に生活するわけですから、二人の間に横たわる溝を埋める不断の努力は家事分担に限らず必須だと思います。

以上、長くなったのでこの辺で。

少しでも参考になれば幸いです。

かつかつ主夫でした。

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