子育てをしていると、それまでには聞いたこともなかったような言葉に出会うことがよくあります。
私は娘が生まれるまではイヤイヤ期という言葉があることすら知りませんでした(たぶん)。
イヤイヤ期をさらに細かく言い表した言葉には、魔の2歳児、悪魔の3歳児なんてものもありますね。
そして、娘が3歳の頃に天使の4歳という言葉があることを知りました。
天使の4歳。良い響きですね。期待してしまいますよね。
我が家でも「4歳頃になるとだいぶイヤイヤも収まって育児が楽になるはずだし、それまで頑張ろう」などと妻と励まし合っていたものですが、いやはや完全に騙されましたよ。
うちの4歳、全然天使じゃないです。
「天使の4歳」とは
天使の4歳という言葉は比較的最近出てきた言葉のように思います。
おそらく、「イヤイヤ期真っ盛りの2歳、3歳頃と比較してだいぶ言うことを聞いてくれるようになる4歳児は天使のように感じられる」ということなのでしょう。
他の方のブログなどを読んでいても「あれだけイヤイヤの激しかった子どもが4歳になってからすっかり落ち着いて良い子になりましたー」みたいな内容を見かけることがあったので、中にはそういう子もいるのでしょうね。
でもこの「天使の4歳」という言葉、すべての4歳児に当てはまるものではありません。
期待しすぎると痛い目にあいます(我が家のように)。
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うちの4歳、全然天使じゃない
今、うちの娘は4歳なのですが、全然、天使じゃないです。
なんなら3歳の頃のイヤイヤがさらにパワーアップしたような感じ。
癇癪を起こされた時にはもう本当に地獄です。
部屋に響く甲高い叫び声。覚えたての悪口を駆使しての罵倒。叩いてくることや蹴ってくることも多々あります。
世間では天使とか呼ばれてるのに我が家では悪魔みたい(ごめんね笑)なんだけど、どういうこと?
私たち夫婦のやりきれない気持ちはいつしか「天使の4歳」という言葉への疑念へと変化しました。
最近、保育園から帰宅後がほんとキツイ。何をするにも全部「ヤダ!」気にくわないことがあると絶叫。覚えたての悪口で精一杯罵ってきたりもする(可愛いけどムカつく)
「天使の4歳とかいう言葉作ったヤツ誰だよ。変な期待させんなよ」妻と愚痴り合いながら気持ちを保つ。
— かつかつ主夫 (@katsu2_shufu) 2018年3月15日
もちろん日によっては「うちの子天使だわぁ」と思えるときもありますけど、それを言ったら2歳、3歳の頃にもそんな瞬間はたくさんありましたからね。
やはり「天使」という言葉はしっくりきません。
英語での4歳児の呼び方に納得
日本で「天使の4歳」という言葉が登場したのは最近のことのようですが、英語ではこの時期の子どもをどのように呼ぶのでしょうか。
調べてみると、日本語とは真逆の呼称が使われていることを知り笑ってしまいました。
以下、英語圏で使われている4歳児の呼称を2つ紹介します。
まず一つ目は、
「The F-ing Fours」
Terrible Twosなどと比べてメジャーではないかもしれませんが、しばしば使われているのを目にします。
F-ingとは、例の放送禁止用語です。Fワード(F word)とも呼ばれるあれです。
ひどい呼び方ですね。日本では天使なのに英語圏ではF-ingって(笑)
参照:The ‘F-Ing Fours’: Advice For Parents Of Four-Year-Old Children (HUFFPOST)
もう一つ、4歳児の呼称として、
「Fournado」
というものがあります。
fourとtornado(竜巻)を合成した言葉です。
最近使われるようになった言葉やスラングの意味について調べられるサイトUrban Dictionaryには「Fournado」について以下のような説明がなされています。
A four year old with the ferocity of a tornado.
竜巻のように獰猛な(ferocity)4歳児といったような意味になります(笑)。
参照:fournado (Urban Dictionary)
うちの娘もまさに竜巻のように激しい癇癪を起こすことがあるので私としては納得のネーミングです。
その他にも「Wonderful Fours」というフレーズが英語圏では使われているとするサイトやブログをいくつか見かけましたが、それらはほぼ全て日本語で書かれたものです。
私が調べた限りでは、英語で書かれたサイトでこのフレーズを使っているものは1つ。個人のブログにちょろっと書いてあるだけでした。
「天使の4歳」という言葉と同様、2、3歳のイヤイヤ期も4歳になれば落ち着くんだという日本の親の祈りのような気持ちが「Wonderful Fours」という言葉を作り出したのではないか、もしくは使っている人がほとんどいないマイナーなこの言葉をどこかから発掘してきたのではないか、そのように私は推測しています。
それだけ育児で苦労している方が多い証拠なのかもしれないとも思っています。
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呼び名が先入観を強める?
日本と英語圏では4歳児の呼び方においてかなりのギャップがあることが分かりましたが、個人的には「F-ing Fours」とか「Fournado」の方がしっくりきます。
うちの子の場合は、それほどに手のつけようのない癇癪に手を焼くことが多いからです。
思い返せば子育てをしていく中で子どもは常にこちらの予想とは異なる成長をしてきたように思います。
なんとなく2歳からだろうなぁと思い込んでいたイヤイヤ期は1歳過ぎ頃からすでに始まっていましたし、イヤイヤは2歳がピークと思っていたのに実際は3歳の頃の方が大変だったように思います。
そして、4歳。
娘が4歳の誕生日を迎えてからの数ヶ月は、「天使の4歳」という言葉と彼女の振る舞いとのギャップにかなり戸惑いました。
子育ての精神的負担を強めるのは、子どもへの期待と現実のギャップだと思います。
「もう3歳だから〇〇ができるはず」
「4歳なんだから〇〇くらいやれるはず」
こういった親・保護者の期待は実際の年齢に応じた子どもの能力とギャップがあるという研究もあります。
参照:The Expectation Gap – ZERO To THREE
「天使の4歳」という呼称によって期待を大きくしてしまうと、実際に子どもが4歳になったとき、ギャップに苦しめられるかもしれません。
呼び名が先入観を強めてしまうという側面もあるでしょう。
英語圏での4歳児の呼称に「F-ing Fours」や「Fournado」というものがあると知った時、正直ほっとしました。
なんだ、みんな大変ななんじゃないかと。
「F-ing Four」というのはなかなかひどい言いようではありますが。
まあ4歳の子ども本人のことというよりは、彼女ら彼らの感情の爆発に対処することの大変さを言い表しているのだと思いますけどね。
4歳児の育児で疲弊しているみなさんも、「天使なんかじゃないよー」と嘆いている人間が他にもいることを知っていただけたら少しは気が楽になるのではないでしょうか。
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