子育て中の親・保護者を心身ともにヘトヘトにさせるイヤイヤ期。
我が家でもこの時期は本当に大変で、毎日が戦争状態でした。
お子さんがイヤイヤ期の真っ只中にある親御さんの中には「このイヤイヤ期、いつまで続くの?」と途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。
私はなんとなくの先入観で、イヤイヤ期は2歳頃に始まって3歳になる頃には落ち着くものなのだろうなぁなどと思っていたのですが、そんな短期間で終わるような甘いものではありませんでした。
うちの娘は1歳になった頃にはすでにイヤイヤ行動の兆候が見られ始め、3歳でピークに。4歳になってからもしばらくは続いていたように思います。
現在(4歳半)は、だいぶ落ち着いてきたようで相当機嫌が悪い時以外、嵐のようなイヤイヤはなくなりました。
今回は、イヤイヤ期がいつから始まりいつ終わるについて、この言葉が使われるようになった経緯をふまえつつ考えて見たいと思います。
スポンサーリンク
目次
イヤイヤ期と呼ばれるようになった経緯
そもそもイヤイヤ期とはどのような時期を指す言葉なのでしょうか。
幼児期の子どものよく分からない行動を名指す言葉には、小さな子どもの夜泣きや癇癪、ひきつけなどを指す俗称として用いられた疳の虫というものがあります(体の中の虫が悪さをしでかしているという迷信)。
年配の人を中心に、今でも疳の虫という言葉を使う人がいるそうですね。
40、50年前からは、思春期の第二次反抗期(第二反抗期)と区別して使われた第一次反抗期(第一反抗期)という心理学用語が一般に広まります。
その後、幼児期の子どもの行動を表すのに「反抗」という言葉は適切ではないのではないかと言われるようになり、十数年前からこの時期を「イヤイヤ期」と呼ぶのが一般的になったそうです。
参照:「イヤイヤ期」子育て中の親が抱える葛藤――変容する社会の間で
最近では、イヤイヤ期という言葉が大人目線であるということで、新しい呼び方を考える動きもあるようですね。
ちなみに私はイヤイヤ期という呼び方を変える必要はないと思っています。
イヤイヤ期はいつからいつまで?
子育て中の保護者にとって、イヤイヤ期がいつから始まりいつ終わるのかというのは気になるところですよね。
私も娘がイヤイヤ真っ盛りの時は「この状態がいつまで続くのか」と妻と共に悲嘆に暮れていました。
以下、イヤイヤ期の期間について考えていきます。
第一次反抗期の定義を調べてみると?
先ほど紹介したように、イヤイヤ期はもともと心理学用語の「第一次反抗期」を言い換えた言葉ということでした。
であるなら、第一次反抗期が子どもの発達のどの時期を指すのかが分かればイヤイヤ期の期間についても自ずと答えは出そうな気がします。
そこで、私が長年愛用している電子辞書 <CASIO EX-word XD-GW6800>所収の各辞典を使って第一次反抗期の時期について調べてみました。
まず、広辞苑で「反抗期」と引いてみます。
自我の発達過程で周囲のものに反抗的態度を強く示す時期。通常の発達過程では、自我の芽生える3〜4歳頃と自我意識の高まる青年前期とに顕著に現れる。前者を第1反抗期、後者を第2反抗期という。
広辞苑では、第一次反抗期は3〜4歳頃とされています。
続いて明鏡国語辞典。
精神発達の過程で、周囲のものに対して反抗的な態度を示す時期。三、四歳の幼児期に現れる第一次反抗期と、十三、十四歳の青年期前期に現れる第二次反抗期とがある
明鏡国語辞典も第一次反抗期は3、4歳頃という記述でした。
続いて百科事典マイペディア。
精神発達の一過程。2,3歳の幼児期に意志が芽ばえ,自我感情が発達し,他人の指示を拒否し,ときにその反対の行動をする場合を第1次反抗期,青年期初期に自我感情が特に強く意識され,それが行動の面では反抗として現れる場合を第2次反抗期と呼び,合わせて反抗期を形成するとされる。
マイペディアでは第一次反抗期が2、3歳の幼児期とされています。
各辞典の第一次反抗期についての記述は以下の通りとなりました。
- 広辞苑:3〜4歳頃
- 明鏡国語辞典:3、4歳頃
- マイペディア:2、3歳
心理学関係の本にもいくつかあたってみました。
発達心理学の入門書「よくわかる発達心理学 (ミネルヴァ書房)」では、第一反抗期について2歳から3歳前後と書かれています。
「発達科学入門〈2〉胎児期~児童期(東京大学出版)」では、第一反抗期を2〜3歳児(幼児期前期)としています。
※「発達科学入門[2]胎児期〜児童期」は、心理学とその近接領域(教育学・医学・神経科学など)を含む学際的なアプローチが特徴的な入門書です。育児におけるジェンダーの影響についての記述もあり、参考になるかと思います。
これらの辞典、書籍に書かれた定義をまとめると、第一反抗期(イヤイヤ期)は2歳から4歳頃と考えるのが妥当なようです。
みなさんはこの2歳から4歳という時期についてどのように感じるでしょうか。
私個人の実感としては、娘のイヤイヤは1歳頃からすでに始まっていたような気がします。なので、第一次反抗期をそのままイヤイヤ期に置き換えた場合、該当する時期について若干ずれを感じるというのが正直なところです。
▼うちの子のイヤイヤのピークはは3歳頃でした。毎日がバトルの連続・・
関連記事:3歳児のワガママにイライラ!どう対処すべき?冷静になる方法は?
「第一次反抗期=イヤイヤ期」ではない?
うちの子の場合、1歳を過ぎた頃から「〇〇がしたい!」「〇〇するのはイヤだ!」とこちらの要求を全力で拒否するような態度が顕著に見られるようになりました(まだ言葉にはできていませんでしたが)。
なので、妻とは娘のイヤイヤ期について1歳頃からすでに始まっていたのではないかと話しています。
しかし第一次反抗期はだいたい2歳から4歳頃とされていることを考えると、1歳になったばかりというのは少し早い気もします。
そこで思ったのは、「第一次反抗期とイヤイヤ期を全く同じものと考えるのは無理があるのでは?」ということ。
あくまで私の印象ですが、イヤイヤ期は第一次反抗期より主観的な感覚を表した表現のように思います。
「イヤイヤ」という言葉の印象から、子どもが「イヤ!」という拒絶の意思を(言葉にならずとも)ある程度明確に示すようになる時期を「イヤイヤ期」と考える人が多いのではないでしょうか。
心理学用語である第一次反抗期の代替として登場したイヤイヤ期という言葉ですが、一般に普及する過程において元の用語との意味合いにズレが生じたのかもしれません。
子どもは乳幼児期のかなり早い時期にはすでに自分の行動を妨げられることに対して抵抗や苛立ちを示すと言われています。
そんな我が子の姿を目の当たりにした親・保護者がそういった仕草や態度を「イヤイヤ」と受け取るというのは自然なことのように思えます。
スポンサーリンク
子育て中の親・保護者の実感は?
イヤイヤ期がいつから始まりいつ終わるのかというのは一概に定義できるものではなく、結局は親・保護者がどう感じるかという主観的な話に収斂されるのかもしれません。
そこで、子育て中の親・保護者を対象にしたアンケート調査を紹介します。
0歳から5歳の子どもを持つ男性・女性(9250人)が対象のインターネット調査(博報堂こそだて家族研究所)です。
「現在イヤイヤ期だと思うか?」という質問に対して以下のような結果が出ています。
- 0歳(0カ月〜5カ月):4.7
- 0歳(6カ月〜11カ月):8.7
- 1歳(0カ月〜5カ月):22.1
- 1歳(6カ月〜11カ月):56.8
- 2歳(0カ月〜5カ月):77.3
- 2歳(6カ月〜11カ月):72.3
- 3歳(0カ月〜5カ月):61.3
- 3歳(6カ月〜11カ月):44.1
- 4歳(0カ月〜5カ月):36.0
- 4歳(6カ月〜11カ月):29.6
- 5歳(0カ月〜5カ月):23.7
- 5歳(6カ月〜11カ月):24.2
参照:イヤイヤ実態調査 – 博報堂こそだて家族研究所(pdf)
過半数を超えたのは1歳半頃から3歳前半頃まで。ピークは2歳前半の77.3パーセント。
この辺りの数字は、世間一般のイヤイヤ期のイメージとそう大差ないのかなという印象です。
一方で親・保護者の約4人に1人は5歳後半までイヤイヤ期と感じているとのこと。
数は少ないですが、子どもが0歳の頃からイヤイヤ期だと感じていた親・保護者もいます。
ピーク時の2歳前半であっても25パーセント近くはイヤイヤ期とは感じていなかったというのも興味深いです。
やはり子どものイヤイヤには個人差があるのだということがこの調査からもわかります。
うちの4歳のイヤイヤ期は終わっているのか?
うちの子の場合、4歳になったばかりの頃は育児サイトなどでたまに目にする天使の4歳という言葉からかけ離れた暴れっぷりで「まだまだイヤイヤ期が続いているなぁ」という印象でした。
そんな娘も4歳半頃から訳のわからないイヤイヤ行動や癇癪がかなり減ってきているように思います。
妻とも「うちの子、イヤイヤ期終了かもね!」といった会話を何度かしていますが、今後いつまた「イヤイヤ期、終わってなくね?」となるかは分かりません(こういったことを何度も繰り返しています)。
最近では、イヤイヤという言葉のニュアンスとは異なるような、明確な意思を持った自己主張が多くなってきている気がします。
先日などは、夏祭りで偶然出会った同じ保育園のお友達といつの間にか「一緒に夕飯を食べる」という約束をしてしまい、「それはできないよ」と説得するのが大変でした。相手のお父さんお母さんはほぼ初対面でしたし、かなり戸惑っている様子でもあったので娘の願いを叶えてあげるわけにもいかず。。
正直言ってウンザリするくらい号泣されてしまいましたが、それだけ「〇〇がしたい!」という気持ちが強くなってきていることの表れだ、それをちゃんと主張できるというのは喜ばしいことだ、と無理やりポジティブに解釈しています。
子どもの成長に合わせてこちらも少しずつ対処の仕方や接し方を変えて行く必要あるのでしょうね。
たとえイヤイヤ期が終わったとしても、子育てはまだまだ始まったばかり。新たなステージでも多くの困難が待ち受けていることを覚悟し、気を引き締めて参りたいと思います(強引なまとめ)。
ではでは。
イヤイヤ期関連の記事はこちら
▼イヤイヤ期の原因やイヤイヤ行動の理由を発達心理学の本を参照しながら考えました。
▼イヤイヤ期の対処法や接し方のポイントについて。
▼娘が2歳の頃、保育士さんからイヤイヤ期の対応についてアドバイスをもらいました。
▼うちの子のイヤイヤ期のピークは3歳。イライラを抑えるために実践したこと。
スポンサーリンク